事例紹介:複数国における法的手続の国際的な調整
課題
毎年アムステルダムで開催される国際的に最も重要な洗浄製品の見本市で、クライアントの競合他社が新しい洗浄システムを紹介しました。しかし、この洗浄システムは、オランダで有効化されたクライアントの欧州特許を侵害するものでした。
対応
仮処分命令を取得し、競合他社の展示ブースにおける特許侵害製品の差押えにも成功した後、当事務所のチームは、それに引き続くオランダでの特許訴訟を調整・管理するとともに、ドイツの無効訴訟において対象欧州特許の国内部分の有効性を弁護しました。これと並行して行われていた当事者間での和解交渉は、展示会での差押えの有効性とオランダでの特許侵害の事実が裁判所に確認されるまであまり進展せず、行き詰っていました。オランダでの法的紛争が成功裏に終結した段階で初めて、ドイツでの無効訴訟の取下げを含む更なる国際的な和解交渉が可能となりました。
成果
当事務所が調整した、見本市でのクライアントの迅速かつ強引な行動は業界全体に波紋を呼びました。これにより、当該競合他社はオランダの特許侵害訴訟において、「最終的に裁判所が製品差押えの正当性を是認しない結果となった場合には、クライアントは見本市に参加登録した来場者全員に個別にその旨通知すべきである」と要求したほどでした。しかし、このオランダでの侵害訴訟も根気が実を結び成功したおかげで、この結果を出発点とし、クライアントは世界中での和解交渉を有利に進めることができました。