事例紹介:バイオテクノロジー
手続介入および訴訟

課題

クライアントである欧州の大手製薬会社が、抗がん作用を有する活性物質のスクリーニングに関する広範なクレームを含む特許権の侵害を理由に、競合他社から米国とドイツで訴訟を提起されました。米国訴訟における特許権者の主張は、ドイツで実施されたスクリーニングから得られた情報は特許権者が有する方法の特許を利用することにより直接得られたものであるため、その情報の輸入は侵害行為であるというものでした。ドイツでは、クライアントはスクリーニングの方法を実施したことを理由に訴訟を提起されました。欧州特許庁では、第三者の申立てに基づき対応する欧州特許について異議手続が行われていましたが、異議申立期間自体はすでに経過し、手続は上訴段階に入っていました。

対応

バイオテクノロジー部門の弁理士2名と弁護士1名がチームを組み、欧州の他の法律事務所とも協力してドイツでの訴訟活動を展開するとともに、米国訴訟を担当していた現地法律事務所とも緊密に連携しました。当事務所は欧州特許条約第105条に基づき、被疑侵害者の立場で欧州特許庁での異議申立・上訴手続への参加を申請しました。また、当事務所は、欧州特許庁での共同異議申立人・上訴人のための防御活動も調整・担当しました。ドイツでの侵害訴訟では、当事務所の弁理士が主席弁理士として手続を主導しました。

成果

第一審の侵害訴訟では、クライアントの先行出版物が特許侵害を示すものであると裁判所が判断したためクライアントに不利な判決が下されましたが、当事務所は、介入した欧州特許庁での手続において対象特許を取り消すことに成功しました。これにより、侵害訴訟の結果を意味のないものとし、クライアントの完全な成功を保証することができました。

このプロジェクトの担当者

Joseph P. Taormino

Ph.D. (Biochemistry), B.A. (Chemistry), European Patent Attorney

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Leo Polz

Dr. rer. nat., Dipl.-Chem., German and European Patent Attorney

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